生命活動

旧ブログ(2010-11)

日本は世界で最も青少年の心が崩壊している?

12月10日の毎日新聞青少年健全育成条例についての記事で引っかかった記述があったので、今日はそれについて綴ってみようと思う。

"世界で最も青少年の心が崩壊している日本"で、世界が批判的な日本の過激な児童ポルノを青少年が見ることを許されるのかということである。


加藤諦三という方がこう論じていた。はて、日本が世界で最も青少年の心が崩壊している?そんな事初めて聞いたぞ?本当にそうなのか?

というかこの日本の青少年の心が崩壊している、というのは何を以ってそう定義付けられるのだろうか。文章を溯っていくと、この崩壊に対する実例や立証などは何も書かれていない。藪から棒に出てきたのである。と言うことで自分で調べてみることにする。

心の崩壊というのはそのまま目に見えるものではない。あ、あいつは心が崩壊してるねなどと道行く人を見て知ることが出来たら、それは最早エスパーの域である。心の崩壊という概念は心の崩壊が何々を招いた、何々をしたから心の崩壊が起きている、という理論があってこそ成り立つものである。その何々とは何か、自分は犯罪と自殺を最初に思い浮かべた。


先ず少年犯罪の推移のグラフを下記に示した。警視庁の統計から抜粋させてもらった。そこからグラフ作ろうと思ったけど、面倒だったのでwikipediaの画像データを添付する。(ありがとうパブリックドメイン!)

こうして見てみると別に増えているわけではない。だが世界と比較しなければ意味が無い。という訳でこちらのサイトの少年犯罪の国際比較を見てほしい。世界と比べても有数の低さである。(掲載にはメールと言うことだったのでURLでの紹介で。面倒なのは嫌いなので)


次に自殺。とここまで書いたが最新の資料が見つからない。(犯罪でのデータもゆめゆめ最新とは言えないが)
最近じゃない資料1 
最近じゃない資料2※pdf注意
最近のデータではないが、決して日本の青少年の自殺率というのは世界と比較して格段に多い、とは言えないのではないだろうか。


ここまでの結論として、犯罪と自殺と言う二つの観点から見れば、断じて日本の青少年の心の崩壊は世界一ではないということが言えるだろう。一体彼は何を以って日本は世界で最も青少年の心が崩壊していると明言したのだろうか。日本が最も青少年の心が崩壊している!、と言うのならば、それを裏打ちするだけの証拠をしっかりと明示してほしかったものである。


と、稚拙な文章ながらもなんとかまとめることが出来た。漫画の感想は来週のネタにします。